農薬は本当に悪か?

皆さんはおそらく無農薬が絶対に安心で、農薬は絶対に悪だと思っていらっしゃるでしょう。 これは大きく間違っています。確かに農薬自体は体に悪いものです。ただ、いまある農薬を使われた食べ物が全て危険かというとそうではないのです。

まず無農薬で育てた食物の悪い点

植物は生き物です。 生き物であるからには生存競争に打ち勝っていく必要があるわけです。

そこで無農薬で育てたときのことを考えてみましょう。 農薬というのは作物を食い荒らす虫などを殺すものです。 この農薬をまかなければ、当然虫たちがやって植物たちを食べていきます。

ここで冒頭でのべた「植物は生き物」という話題に帰ります。 生きている植物が、自分の体を蝕んでいく虫たちになんの抵抗もしないのでしょうか? 答えはもちろんノーです。

では具体的には植物は何をするか?

毒を出して虫たちを追い払います。 虫にも効くのですから人間にも多少の影響はあります。

分かりやすいように具体例を出してみます。

みなさんタバコはご存知だと思いますし、その有害性についてもご存知だと思います。 そのタバコを育てる方法はご存知ですか? タバコは一度育てる過程で一度ちょん切られてしまいます。 なぜ切るのか?感づかれた方もいるのではないでしょうか。

答えは切られることによって、「植物に虫に食われたと思わせる」、です。 虫に食われたと思ったタバコは上で述べたように毒を出します。 これがニコチンです。

わかり易い例としてタバコを出してみました。 こういった反応が植物には起こるわけですね。 つまり無農薬の作物にはこの「毒」が含まれているかもしれないということです。

次に農薬の安全性について

もちろん農薬自体は毒です。 飲んでしまえば最悪死にます。 ではなぜ安全だといえるのか?

日本には農薬に関するものすごく厳しい規制の仕組みがあります。 農薬会社はこの安全性の基準をクリアするために億単位のお金をつぎ込んで農薬の開発をしています。 ですがそのつくった農薬が基準をクリアするのは何百に1つといった割合です。

具体的にはどういった基準かといいますと、詳しいことは省きますが簡単に言うと、「毎日飲み続けても人体に影響がない量が、消費者の手元に届いた作物に付着しているかいないか」が基準です。 つまりこの基準をクリアした農薬を使ってつくった作物を、毎日食べてもなんの影響も出ないわけです。

しかもこの量というのは作物を丸ごと食べた場合の量です。 みなさんは野菜なんかを食べるときはまず洗ったり、皮をむいたりしますよね? その洗う前の野菜が基準になっているわけです。 洗ってしまえば、農薬はほとんど落ちてなくなってしまいます。

以上が農薬の安全性の根拠です。

農薬ありで育てた作物と無農薬作物比べてみてどうですか? 最終的には食べるあなた自身が決めることです。 ただ正しい知識をもってそれを決めて欲しいです。 マスコミなどの情報を鵜呑みにすることなく、しっかり自分で判断できる手助けになればいいと思っています。

参考図書

あなたが知らない農薬の光と影 よく分かる!農薬がこわくない理由 あなたが知らない農薬の光と影 よく分かる!農薬がこわくない理由